チーズケーキ

チーズケーキというよりも、天然酵母のグラハムクラッカーを楽しむケーキ。

主役にしたのは、小麦の香ばしさ。ライ麦酵母を焼いて砕いたフレークと、ルヴァンで熟成させた小麦生地の焼成フレークを混ぜたグラハムクラッカーを、型に沿ってシェル状に焼き固めている。スプーンを入れた瞬間に崩れるザクザクの食感と、焼いた麦の香りが一気に立ち上がる。

そこに重ねたのは、サワークリーム由来の発酵プディング。コシがありながらなめらかで、香りが生地に寄り添う設計。

次の層は、白いバタークリーム。ダークラムで香りだけを添えて、甘さは抑えてある。密度のあるレイヤーの中に、空気のような軽さを仕込んだ。

一番上に乗るのが、焼いたチーズケーキ。重たいというより、揺るがない。クラッカーの上にしっかりと立っている。

フィリングにはキャラメルをひと筋。温度差とテクスチャの変化のために入れている。カカオリキュール漬けのカレンツレーズンと、ローストしたナッツ（アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ）を組み合わせて、香りのレイヤーに奥行きを出している。

スプーンで崩しながら、グラハムクラッカーごと食べてほしい。構造を食べるケーキ。冷たいままがおすすめです。